人々の競馬に対する印象に変化が見られます。
以前は新聞を片手におじさんが楽しむ娯楽と考えられていました。
そのようなイメージしかない人は、近年の競馬場を訪れると非常に驚くことになるでしょう。
なぜなら、若い女性や子どもたちもたくさんいるからです。
むしろ、そのような人たちが多数を占めていることも珍しくありません。
新聞を持ったおじさんがいることも確かですが、もはやそれは定番の光景ではなくなりつつあります。
目次
集客力アップを目指す運営側の情熱
その変化の背景にあるのは、集客力アップを目指す運営側の情熱です。
競馬は決してマイナーではありませんが、知名度の割に裾野が狭いという問題がありました。
上述のようなおじさんだけがターゲットであり、そのままだと事業として拡大させていくのは難しい状況だったのです。
それを打破するには、新たなターゲットを設定しなければなりません。
それこそがファミリー層であり、女性や子どもにも来てもらいたいと考えたわけです。
とはいえ、単純に競馬やその楽しさについて説明するだけでは、ファミリー層に来てもらえる可能性は低いです。
女性はギャンブルに興味を持ちにくいですし、子どもにいたっては意味すら理解できないかもしれません。
女性や子どもが楽しそうと感じる要因を多く用意する
そこでポイントになるのは、他の要素を充実させることでした。
女性や子どもが楽しそうと感じる要因を多く用意することで、何度も来てもらえるような場所にしようと考えました。
たとえば、女性向けのアイデアとして採用されたのは、グルメを楽しめる飲食店を誘致することです。
敷地内におしゃれなレストランなどを出店させたり、スイーツの屋台を置いたりすることで実現しました。
一方、子ども向けのアイデアとして、アスレチック場で見かけるような遊具を設置することが挙げられます。
特撮ヒーローの舞台も行うなど、ちょっとした遊園地のようになっている競馬場もあるのです。
さらに、引退した馬を利用して乗馬体験のコーナーを作っているところも見受けられます。
このように、ギャンブル以外の面でも娯楽を充実させることで、ファミリーが過ごす場所に進化させたというわけです。
料金面でも利用しやすくする改革を行っている
さらに料金面でも利用しやすくする改革を行っています。
サテライトでしかレースを見られないときは、入場料を無料にすることが多くなりました。
パパが画面を見て馬を応援している間に、ママは名物のスイーツを堪能して、子どもは遊具で遊ぶといった過ごし方が可能です。
パパやママが子どもより楽しめる可能性があるという意味では、遊園地以上のファミリー向け娯楽施設といっても過言ではありません。
かなりのコストがかかっていますが、それでも長期的な収益化を見込んで取り組んでいるのが実情です。
もちろん、全国の競馬場のすべてが該当するのではなく、比較的大きめのところから着手しています。
ファミリー向けに変わっていく流れは加速されていく可能性が高い
そのため、古いイメージが根強く残っている地域もあるでしょう。
ただし、しばらく時間がかかったとしても、ファミリー向けに変わっていく流れは加速されていく可能性が高いです。
世間の感覚の変化により、反社会のイメージが強いものは淘汰される時代になりました。
ギャンブルである以上、多かれ少なかれ、そのような印象を持たれていることは否定できません。
それを払拭するにためにも、ファミリー世帯向けのアミューズメント施設として生まれ変わる必要があります。
世の中には他にも娯楽がたくさん存在するので、ギャンブルに興味を示す男性も減っているのが実情です。
メインのターゲットですら増加を見込みにくいので、こちらの方向に舵を切るのは当然といえます。
まとめ
この戦略は的を射たものであり、少しずつですが以前より集客数は増えつつあるのです。
今後もさまざまなアイデアによって発展していくことが期待されます。